本の紹介・かんそうぶん・Book Reviews
現在のInternet は UNIXとそのプログラミング環境によるところも大きいです。MacOS, Linux, Android, iOS の下敷きは UNIX であり、Windows OS も UNIX に影響を受けています。30年以上前に書かれた本で、今は計算機の環境や利用形態は大きく変わってますが、UNIXプログラミングの流儀の基本的な部分は今でも引き継がれていると思います。
最初の5章は
UNIXの基本、シェル・プログラミング、6、7、8章はC言語によるプログラミング、9章は文書処理、10章はエピローグ、という構成になっています。
9章の内容は今となっては古すぎて通用しませんし、6章から8章も面白いのですが、この本でC言語によるプログラミングを習うというのは効率的ではないかもしれません。ただし、yacc
の使い方に興味がある場合は参考になるでしょう。その他の章は古くなってしまったコマンドも使われてはいますが、今でも参考になると思います。各コマンドの機能は単機能にすること、コマンドは組み合わせて使えるようにすること、など繰り返し例を出して説明されます。プログラミングの知識、経験がなくても読めます。
もし手元に macOSが載っている Apple マシン、または Linux系のOSが載っている PC があったら terminal
(またはそれに準じるアプリ)を起動してみてください。コマンド・ラインで使えるシェルが起動してきます。Windows でも、最近は 「Bash On Windows」という機能が入っているので、それを起動するとbash というシェルがコマンド・ラインで使えます。この本に書かれている「プログラミング環境」が手元にあります。
多摩市の図書館にこの本があります。その本を借りてきて、自分の計算機で1章だけでも実際にコマンドを打ち込みながら試してみると面白いかもしれません。便利なGUI(グラフィカル・ユーザ・インタフェイス)でない古風なCLI(コマンド・ライン・インタフェイス)を新鮮に感じるかもしれません。プログラミング未経験でもこれをきっかけにプログラミングをはじめてみたくなるかも知れません。既存のコマンドを組み合わせるだけでも立派なプログラミングです。
(2018/11/06: SZSKR)
PS: 「UNIX: Making Computers Easier To Use -- AT&T Archives film from 1982, Bell Laboratories」
ベル研で UNIX を作ったハッカーたちが多く登場するすごいビデオです! (2018/12/08: SZSKR)
PS2: 「Where GREP Came From?」
このビデオで話しているのが、本の著者のカーニハンです。(2018/12/12: SZSKR)
文章表現の技法 (瀬戸賢一・岩波ジュニア文庫)
「レトリック」について知りたかったのでこの本を読みました。本書はレトリックを次のように定義しています。
レトリックとはあらゆる話題に対して魅力的な言葉で人を説得する技術体系である
この本ではレトリックを大きく次の3つに分けています。
意味のレトリック (隠喩、直喩、換喩など)
形のレトリック (反復、挿入、省略、倒置など)
構成のレトリック (仕掛け、反復、引用、パロディなど)
これらを30のパターンに分けて小説、エッセイ、詩などからの抜粋を例に取り上げて説明されます。
この本を読んでいるとき、実際に目にするいろんな日本語で「あれもレトリック、これもレトリック」と気付かされました。無意識に使っている「レトリック」も多くあるのですが、説明されている技法を意識的に利用するためには、本を読むだけではダメで練習する必要があると思います。
最終章「レトリックを文章に生かす」で紹介されたレトリックの技法が本の最初の「はじめに」でどのように使われていたか説明されます。再帰的な説明で非常に興味深かったです。
「岩波ジュニア文庫」の一冊なのですが、大人が読んでも面白いです。中学生・高校生だった頃に読みたかった本ですが、国語の不得意だった私は、読んだとしてもわからなかったかもしれません。 (2018/07/19: SZSKR)
東寺方図書館友の会
Friends of Higashiterakata Library (FOHtL)
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